最新 地学事典 「スカルン鉱床」の解説
スカルンこうしょう
スカルン鉱床
skarn deposit
炭酸塩岩が熱水による交代作用を受けて形成される塊状熱水鉱床。接触鉱床・接触交代鉱床・高温交代鉱床と同義だが,これらの用語はそれぞれ難点があるため,スウェーデンの鉱山用語で,主にヨーロッパで用いられていたスカルンが,近年広く世界で用いられている。スカルン鉱物と呼ばれるCa・Al・Fe・Mgなどの珪酸塩鉱物(ざくろ石・単斜輝石・緑れん石・珪灰石・ベスビアナイトなど)を伴うことが特徴。スカルン鉱物からなる岩石はスカルンと呼ばれ,石灰岩とチャートの互層やマールなどが熱変成を受けても形成されるが,鉱床となるものは,ほとんど珪長質マグマの活動に伴って発生する熱水により形成され,大規模な物質移動を生ずる。スカルン鉱物の組合せは原岩の種類(石灰質・苦灰質など)により大きく異なる。磁鉄鉱・赤鉄鉱・黄銅鉱・閃亜鉛鉱・方鉛鉱・灰重石・鉄マンガン重石・錫石・輝水鉛鉱などがスカルン鉱物中に鉱染し,あるいは塊状に胚胎してFe・Cu・Zn・Pb・W・Sn・Mo・Au・Beなどの鉱床となる。釜石鉱山(Fe・Cu)・神岡鉱山(Zn・Pb)・藤ヶ谷鉱山(W),カナダのMacMillan Pass鉱床(W),中国の大冶鉱床(Fe・Cu)などが典型。いずれも規模は中程度だが高品位のものが多く,世界各地で稼行。
執筆者:島崎 英彦
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

