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鉄鉱床 てつこうしょうiron ore deposit

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

鉄鉱床
てつこうしょう
iron ore deposit

鉄の鉱床の総称。鉄鉱床には次のような多くの種類がある。 (1) マグマ分化鉱床 マグマの分化作用によってできる磁鉄鉱の鉱床で,花崗岩にも斑糲岩にも胚胎する。 (2) 高温交代鉱床 石灰岩を交代して生じる磁鉄鉱,赤鉄鉱などの鉱床で,母岩は花崗岩が多い。岩手県釜石鉱山,中国の大冶鉄山がこの例。 (3) 交代・鉱脈鉱床 火成岩ができたのち,マグマの揮発成分の多い時期の気成作用によってできた石灰岩を交代したり,鉱脈となったりして産する磁鉄鉱,菱鉄鉱 (りょうてっこう) の鉱床。火成岩には花崗岩,ひん岩などがある。 (4) 堆積鉱床 褐鉄鉱鉱床がこの例で,古い地質時代のものは赤鉄鉱鉱床となっている。 (5) 残留鉱床 風化分解して濃集した褐鉄鉱の鉱床。熱帯地方のラテライトはこの成因による鉄分の多い土壌。 (6) 変成鉄鉱層 先カンブリア時代の結晶片岩中の層状の磁鉄鉱,赤鉄鉱鉱床がこの例で,ブラジル,インド,オーストラリアには広大な地域に分布し,世界の鉄資源の主要部を占める。堆積性の鉄鉱層が変成したものが多い。

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百科事典マイペディアの解説

鉄鉱床【てつこうしょう】

鉄鉱石を主とする鉱床。磁鉄鉱,赤鉄鉱,褐鉄鉱などが濃集。堆積鉱床としては,楯(たて)状地にある大規模な縞(しま)状鉄鉱層(米国のスペリオル湖地方など。量的にも最も重要)や砂鉄がある。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト百科事典マイペディアについて 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

鉄鉱床
てつこうしょう

磁鉄鉱や赤鉄鉱を主要鉄鉱物として含む鉱床であるが、鉄の炭酸塩や水酸化物などから構成される鉱床もある。地殻中の鉄の含有量はほぼ5%で、主要元素のなかではアルミニウムに次いで多い元素である。鉄が地殻中に各種の鉄鉱物などを形成することにより、25~30%以上濃集すると鉄鉱床として採掘可能になる。鉄資源を産する鉱床型はさまざまあり、成因により正マグマ成鉱床、カーボナタイト鉱床、接触交代(スカルン型)鉱床、熱水鉱脈型鉱床、化学的・生化学的堆積(たいせき)成鉱床、漂砂鉱床など種類が多い。
 これらのうち、世界的にもっとも重要な鉱床は、化学的・生化学的堆積成鉱床である。この型の鉱床は、先カンブリア時代の岩石中に層状に分布し、縞(しま)状鉄鉱層Banded Iron Formation(BIF)とよばれる。この鉄鉱層は、一般に赤鉄鉱層や磁鉄鉱層、それにチャート質層と互層をなす。また、炭酸塩鉱物に富む層や硫化物(主として黄鉄鉱)層などを含むこともある。縞状鉄鉱層は、生成環境や生成時期などにより大きく、アルゴマ型とスペリオル型の二つに分けられる。
 アルゴマ型鉱床は、緑色岩帯中に層状またはレンズ状に分布する。緑色岩は先カンブリア時代の海底火山活動により海底に噴出した火山岩や火山砕屑岩が熱水変質や広域変成作用を受けて生成したものであり、このタイプの鉄鉱層の鉄は火山活動に伴うマグマ起源とされている。また、アルゴマ型鉄鉱層はスペリオル型に比べ鉱床規模が小さく、水平方向への鉱石の性質の変化に富む。鉱石は、鉄酸化物鉱石のほかに、炭酸塩鉱物、硫化物鉱石に富むのを特徴とする。代表的なアルゴマ型鉱床は、ハドソン湾南西域、ギアナ、ベネズエラ、ブラジル、オーストラリア西部、リベリアなどに分布する。
 スペリオル型鉄鉱層は、砂岩、粘板岩、チャートなどの堆積岩中に分布し、アルゴマ型に比べ連続性がよく、鉱床規模が大きい。鉱床は、磁鉄鉱層や赤鉄鉱層がチャート層と縞状構造をなす。また、この鉄鉱層の上下の堆積岩中には、ストロマトライトとよばれる緑藻類により形成された炭酸塩鉱物層が分布する。スペリオル型鉄鉱層は、北アメリカ大陸五大湖の一つであるスペリオル湖北西部に多数分布し、鉱石はタコナイトとよばれる。この種の鉱石は、インドではBHQ(Banded Hematite Quartz)、ブラジルではイタビライトとよばれている。イタビライトは広域変成作用を受け鉄鉱物が再結晶し鏡鉄鉱(赤鉄鉱の板状結晶)に変化したものより構成されている。西オーストラリアのハマスレー、南アフリカのトランスバール、ウクライナのクリボイ・ログ、中国の鞍山(あんざん)など世界を代表する鉄鉱層はスペリオル型に属する。
 正マグマ成鉄鉱床は先カンブリア時代の変成岩類を貫く火成岩体中またはその周辺に発達し、たとえばスウェーデンのキルナ鉱床のように大規模なものがある。スカルン鉄鉱床は磁鉄鉱を主とし、ロシアのウラル地方や西シベリアに大規模なものが発達する。日本では岩手県釜石(かまいし)鉱山の鉄・銅鉱床がこの例である。[金田博彰]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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