ソルベンシー・マージン(読み)そるべんしーまーじん(英語表記)solvency margin

翻訳|solvency margin

知恵蔵 「ソルベンシー・マージン」の解説

ソルベンシー・マージン

保険会社の経営の健全性を判断するための指標。銀行や証券会社の自己資本比率に相当する。責任準備金(将来の保険金等の支払いに備えるための積立金)を超えて保有する保険会社の支払い余力を示し、保険会社の資本勘定一定の準備金、株式含み益の90%、土地含み益の85%等の合計額を、一定の算式に従って計算されるリスク相当額の2分の1で除して算出する。1996年4月から本格的に導入。98年度からは、ソルベンシー・マージン比率が200%を下回った保険会社に対しては、その比率に応じて早期是正措置が発動されることになった。具体的には第1区分(100%以上200%未満)、第2区分(0%以上100%未満)には区分に応じた是正命令、第3区分(0%未満)には業務停止命令が適用される。

(吉川満 (株)大和総研常務理事 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

百科事典マイペディア 「ソルベンシー・マージン」の意味・わかりやすい解説

ソルベンシー・マージン

保険会社の支払余力を数値化したもので,会社の健全性を示す指標。リスク想定額を分母,保険会社の資本基金・準備金などの合計値を分子として,比率が算出される。1996年の新保険業法(保険業法)によって本格的に導入され,生命保険会社が算出値を大蔵省に報告している。1997年の日産生命保険の破綻以降,生命保険の解約が激増した中で,1998年3月期決算から各社がソルベンシー・マージンを公表し,社ごとの経営格差が明らかになった。

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