ソロモン海海戦(読み)そろもんかいかいせん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ソロモン海海戦」の意味・わかりやすい解説

ソロモン海海戦
そろもんかいかいせん

太平洋戦争中、ガダルカナル島争奪をめぐって日米両海軍の間で三次にわたって戦われた海戦。第一次海戦は1942年(昭和17)8月7日、日本海軍第八艦隊がアメリカ艦隊の泊地を夜襲し重巡四隻を撃沈するという大きな戦果をあげた戦闘であるが、アメリカ輸送船団を攻撃せずに引き揚げたため単なる戦術的勝利に終わった。第二次海戦は、同年8月24日、日米両機動部隊の間で戦われた戦闘で、アメリカ海軍は空母エンタープライズが中破し、日本海軍は小型空母龍驤(りゅうじょう)を失った。第三次海戦は、同年11月12日から14日にかけて、ガダルカナル島増援部隊の護衛とアメリカ飛行場砲撃のため出撃した日本艦隊がアメリカ艦隊と遭遇した戦闘で、この海戦の結果、日本海軍は戦艦二隻沈没、重巡一隻沈没、駆逐艦三隻沈没という大きな損害を被った。いずれの戦闘においても日本軍は、決定的勝利を得ることはできず、制海権は制空権を握ったアメリカ軍の手に帰することとなる。

吉田 裕]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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