ターシンアンリン(大興安嶺)山脈(読み)ターシンアンリンさんみゃく(英語表記)Daxing'anling shanmai

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ターシンアンリン(大興安嶺)山脈
ターシンアンリンさんみゃく
Daxing'anling shanmai

中国北東部,トンペイ (東北) 平原と内モンゴル (蒙古) 高原の境をなす北東から南西方向の大山脈。長さ 800km,幅 200~300km。東側はトンペイ平野に急勾配に落込み,西側はゆるやかに内モンゴル高原に続く。東はソンホワ (松花) 江の上流ネン (嫩) 江とリヤオ (遼) 河の支流シャルモロン (西拉木倫) 川の流域,西はヘイロン (黒竜) 江 (アムール川) の支流エルグン (額爾古納) 川と内陸河川の流域である。山頂の多くは円頂状で,標高 1000~1400m。南東からの海洋性季節風をはばむため,東斜面は比較的湿潤で森林をなし,西斜面は乾燥して草原が多い。カラマツを主とし,グイマツ,コウアンシラカバを伴う原生林があり,中国の重要な木材資源となっている。ヒグマ,トラ,ジャコウジカや,キタリス,タカネイタチ,クロテン,カワウソなどの毛皮獣が生息。中央部をピンチョウ (浜洲) 鉄道が横断し,西部にはヤーモー (牙漠) 鉄道,東部にはネンシー (嫩西) 鉄道が南北に走っている。 1960年代から林業開発が大規模に進められ,ジャグダチ (加格達奇) ,ヤクシ (牙克石) をはじめ人口数万の林業都市が鉄道沿いに建設されている。

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