トスカナ方言(読み)トスカナほうげん(その他表記)Tuscan dialect

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トスカナ方言」の意味・わかりやすい解説

トスカナ方言
トスカナほうげん
Tuscan dialect

イタリアトスカナ州方言フィレンツェ方言,西トスカナ方言,南トスカナ方言に細分することができる。 13~14世紀以来,政治的隆盛と,ダンテやボッカチオなどの作品影響によって,文芸語の地位を得,現代イタリア標準語の基礎となった。

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世界大百科事典(旧版)内のトスカナ方言の言及

【イタリア語】より

…方言の分類はさまざまに試みられているが,以下にその一つを示す。(1)北部イタリア方言群 (a)ピエモンテ方言(b)ロンバルディア方言(c)リグリア方言(d)エミリア方言(e)ベネト方言(2)トスカナ方言群 (a)フィレンツェ方言(b)西部トスカナ方言(c)南部トスカナ方言(3)中・南部イタリア方言群 (中部)(a)マルケ方言(b)ウンブリア方言(c)北ラツィオ方言 (南部)(a)ナポリ方言タイプ(南ラツィオ,アブルッツィ,カンパニア,ルカーニア,北プーリア)(b)シチリア方言タイプ(サレント,カラブリア,シチリア)。 イタリアにおける方言の多様性についてはすでにダンテ(1265‐1321)がその《俗語論》のなかで筆を費やしているが,ではラテン語はなぜこのように地域ごとに分化し,その状態が現在にまで及んでいるのであろうか。…

【トスカナ[州]】より

…トスカナはイタリア諸州の中でもルネサンス以来の伝統を誇る個性豊かな州として知られている。トスカナ方言(トスカナ語)はダンテ以来の文化的背景をもち,現在のイタリア語の基盤となった。トスカナ方言が北西部のカラーラ付近を除き,ほぼ州の範囲全体に普及していることは,トスカナの文化的統一性を物語っている。…

※「トスカナ方言」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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