ナナバケシダ(英語表記)Tectaria

改訂新版 世界大百科事典 「ナナバケシダ」の意味・わかりやすい解説

ナナバケシダ
Tectaria

オシダ科の常緑多年生シダ植物。狭義にはナナバケシダは沖縄からニューギニアにかけて分布する種T.decurrens (Pr.) Copel.をさすが,園芸的にはナナバケシダ属Tectariaの総称とされることもある。狭義のナナバケシダは熱帯から亜熱帯原産で,葉は単葉から単羽状と多型で,七化羊歯(ななばけしだ)の名はこれに由来する。しばしば表面に黄色の鷹の羽状の斑(ふ)がはいる。葉脈は網状に細かく結合し,不規則な遊離脈がある。胞子葉はやや大型で高く伸び,包膜は円腎形。T.gemmifera (Fée) Alston(英名button fern)は葉面に多数の子芽を生じておもしろく,カレンコウアミシダT.simonsii (Bedd.) ChingやT.macrodonta (Fée) C.Chr.はゆったりとした葉面と黒や褐色の葉柄との対比が美しい。栽培は,赤土系の土壌で水はけよく作り,冬の保温に留意する。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語をあわせて調べる

今日のキーワード

潮力発電

潮の干満の差の大きい所で、満潮時に蓄えた海水を干潮時に放流し、水力発電と同じ原理でタービンを回す発電方式。潮汐ちょうせき発電。...

潮力発電の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android