ニッポンウミシダ(読み)にっぽんうみしだ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ニッポンウミシダ」の意味・わかりやすい解説

ニッポンウミシダ
にっぽんうみしだ / 日本海羊歯
[学] Comanthus (Cenolia) japonica

棘皮(きょくひ)動物門ウミユリウミシダ目に属する海産動物。属名のコマントスにちなんでコマチともよばれる。日本近海でもっとも普通にみられる黒褐色のウミシダ。腕は30~50本あり、長さ12~15センチメートル。羽枝(うし)の先端は鮮やかな黄橙(こうとう)色。腕や羽枝はねばつき、物に絡んでちぎれやすい。10月中旬ごろ、月が上弦か下弦の日の夕刻近くに、多数のものが一斉に放卵、放精することが知られている。本州中部から九州、中国東南部沿岸の浅海域に分布する。

[重井陸夫]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のニッポンウミシダの言及

【ウミシダ(海羊歯)】より

…ウミユリ綱ウミシダ目Comatulidaに属する棘皮(きよくひ)動物の総称,またはニッポンウミシダの別名。ウミシダ類はすべて海産で,植物のシダの葉のような形をした腕が10~100本輪生しているところから名付けられた。…

※「ニッポンウミシダ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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