パナマゴムノキ(英語表記)Castilloa elastica Cerv.

改訂新版 世界大百科事典 「パナマゴムノキ」の意味・わかりやすい解説

パナマゴムノキ
Castilloa elastica Cerv.

クワ科の常緑高木。かつてはゴムの採集樹として利用されたが,現在はほとんど用いられない。メキシコゴムノキアメリカゴムノキとも呼ばれる。英名はCastilloa rubber tree,Central American rubber tree,Panama rubber tree,Mexican rubber treeなど。高さ20~30mになり,軟毛がはえる枝に葉を互生させる。葉は短い葉柄があり長楕円形,長さ20~40cm。雌雄異株,雌花花托は発達して種子を包む。メキシコ南部から中米にかけて分布し,栽培のためにスリランカマレーシアに導入されたこともあるが,パラゴムノキの栽培が広がって利用されなくなった。ゴム乳液の分泌量が少ないためであるが,ゴムの質はよく,中米では雨具の防水に用いられたという。同属のC.ulei Warb.(現地名cauchu)はアマゾン流域に分布し,ゴム乳液を生じるが,やはり現在は利用されていない。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

世界の電気自動車市場

米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...

世界の電気自動車市場の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android