ビザンティオン(読み)びざんてぃおん(その他表記)Byzantion

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビザンティオン」の意味・わかりやすい解説

ビザンティオン
びざんてぃおん
Byzantion

アジアとヨーロッパを境するボスポラス海峡西岸に、紀元前668年あるいは前659年、メガラ人によって建設された植民市。現在のトルコイスタンブール起源をなす。漁業が盛んで、またエーゲ海と黒海を結ぶ海上交通の要地であるため、通行税をも財源として栄えた。ペルシア戦争後、デロス同盟に加盟したが、離反を繰り返した。前340年にはマケドニアフィリッポス2世の攻撃を受け、前3世紀にはケルト人の侵攻に悩まされた。紀元後196年、セプティミウス・セウェルス帝の攻撃を受けて破壊されたが、まもなく復興し、330年コンスタンティヌス帝によりローマ帝国新都と定められ、その後、コンスタンティノープルの名で知られることになった。

中村 純]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android