フェン(汾)河(読み)フェンが(英語表記)Fen he

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フェン(汾)河」の意味・わかりやすい解説

フェン(汾)河
フェンが
Fen he

フェン水とも呼ばれる。中国中部,シャンシー (山西) 省中部を南西流する川。ホワン (黄) 河の支流。全長 716kmで,省最大の河川である。万里の長城の南方にあるニンウー (寧武) 県のコワンツェン山に源を発する。西のリュイリヤンシャン (呂梁山) 山脈,東のタイユエシャン (太岳山) 山脈などの間を流れる。タイユワン (太原) 市から下流に支流のウェンユイ (文峪) 河などとともに広い盆地を形成する。チエシウ (介休) 県からは峡谷をなすが,リンフェン (臨汾) 市一帯で再び盆地を流れる。ホウマー (侯馬) 市で西に向きを変え,ホーチン (河津) 県でホワン河に流入する。タイユワン盆地,リンフェン盆地は省の穀倉で,小麦と綿花の産地として知られる。流域は地下資源に富み,石炭,鉄などを埋蔵する。ホワントー (黄土) 高原を流れるため,諸支流とともに,大量の黄土を運び,流域の土壌を流失させ,ホワン河の洪水を助長してきた。人民共和国成立後広域にわたって植林,段畑の造成,貯水池の建設などが行われ,土壌の保持がはかられている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android