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出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
中国大陸北部、ヨーロッパ中部~東部、北アフリカ、北アメリカ中部、ニュージーランド南島などに広く分布する風成堆積物(たいせきぶつ)の呼称。黄土(こうど)またはレスloessともいう。淡黄色または灰黄色のシルト質(砂粒と粘土粒子との中間の粒径をもつ粒子が主成分)で固結度の低い地層をなし、中国のものは黄土とよばれ、黄河(こうが)の流域に深く急峻(きゅうしゅん)な谷壁をなして露出している。レスの物質は多孔質で、河岸の乾いた壁面には垂直方向の割れ目が生じ、崩壊をおこしやすい。層中を浸透する水の沈積作用で、炭酸塩のレスキンダーLoesskinder(ドイツ語)とよばれる細長い固結物ができる。中国の場合はアジア内陸のモンゴル、タクリマカンなどの砂漠から、ヨーロッパや北アメリカなどでは約260万年前以降の第四紀の氷河時代に広がっていた大陸氷河周辺の氷成堆積物から、偏西風の風下側に飛来した微細な砂粒(すなわちシルト)が黄土の根源である。
風成堆積物としての黄土の分布範囲はきわめて広い。日本の北九州から山陰地方には、砂丘の層の間に、中国大陸からと推定される黄土(レス)の混入している部分が発見されており、現在も微量ではあるが飛来することがある。
[浅海重夫・渡邊眞紀子]
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レスともいう.大気中を風で運搬され堆積した淡黄色,あるいは灰色の土.0.05~0.005 mm の微砂が50% 以上存在する.構成鉱物は石英が多く,少量の粘土鉱物,長石,雲母,角せん石,輝石などである.中国北部,ヨーロッパ,北アメリカ,北アフリカなど世界的に分布する.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
岩石の風化土。微粒で灰黄色。珪酸(けいさん),アルミ,アルカリなどが主成分。水はけがよく,農耕に適している。黄土分布の代表的なものは,内陸砂漠の微粒子が風によって吹き寄せられた中国華北の黄土地帯である。中国の古代文明である黄河文明はこの土による恩恵がもたらしたものだといわれている。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
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出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…奈良時代の《絵因果経》に使われた赤色は丹である。黄色には酸化鉄から成る黄土と,ヒ素の硫化物の石黄があり,石黄は,雄黄や雌黄などとも呼ばれ強い毒薬としても使われた。白には白土,鉛白などがあり,白土はカオリンを含む陶土で壁画や木彫彩色など各所に古くから使われた。…
…第四紀の氷期に大陸氷河の周辺地域や砂漠地域から風で運ばれて陸上に厚く堆積した,淡黄色ないし灰黄色を呈する非固結の風成堆積物。黄土(おうど∥こうど)ともいう。中国の北部・東北部,中央アジア,ヨーロッパ・ロシア南部,中部ヨーロッパ,北アフリカ,北アメリカ中央部,アルゼンチン,ニュージーランドなどに広く分布し,世界の陸地表面の約10%をおおっている。…
…衣服や衣服の装飾,アクセサリー,カーテンやテーブル掛けなどの部屋飾りに用いられる透し模様のある布。俗ラテン語のラキウムlacium(〈結んでできる輪〉の意)を語源とし,1本または何本かの糸を,かがる,からげる,編む,結ぶ,より合わせる,組み合わせるなどして透し模様にしたものをいう。しかし広義には,はじめに布があってその布の一部を切り取る,織り糸を引きしぼる,あるいは抜き取ってかがるなどして透し模様にしたもの,また網状の布(ネットやチュールなど)に模様を刺繡してレース状に加工したものもレースの名で呼ばれる。…
※「黄土」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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