ホメロス賛歌(読み)ホメロスさんか(その他表記)Homeric hymns

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ホメロス賛歌」の意味・わかりやすい解説

ホメロス賛歌
ホメロスさんか
Homeric hymns

ホメロスの歌を吟誦するホメリダイが,各地の祭礼や人々の集りにおいて,ホメロス吟誦の序歌として歌った歌 34編を集めたもの。いずれも祭礼の主神,または詩神ミューズに対する祈願の歌で,短いものは神の祭祀名と業績を数え上げるだけであるが,長い歌は美しい叙事詩にまで発展している。作者未詳で,年代は前7~4世紀にわたる。名高いのは,古代においてホメロス作と考えられた『デーロスのアポロン賛歌』『ピュトのアポロン賛歌』,ヘルメス幼時の牛盗みと竪琴の発明を歌う『ヘルメス賛歌』,アフロディテとアンキセスの結婚を歌う『アフロディテ賛歌』,デメテルペルセフォネの伝説に加えてエレウシスの祭礼の縁起を歌う『デメテル賛歌』など。ホメロスの言語の伝統を忠実に守り,文体もホメロスの形式や定句を自由に生かしている。

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