エレウシス(読み)えれうしす

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エレウシス」の意味・わかりやすい解説

エレウシス
Eleusis

古代ギリシア,アッチカの都市。現エレフシスアテネの西にあり,おそらく前7世紀までは独立していたが,その後アテネに併合され,395年には西ゴート首長アラリック2世に破壊され,荒廃。デメーテル神殿とそこで毎年9月に行われたデメーテルとその娘の冥府の女王ペルセフォネを祀る密儀によって名高い。この密儀は,ペルセフォネをハデスにさらわれたのを怒ったデメーテルが,神界を去り人間界を放浪したおりに,最後に滞在したエレウシスで王の一家から受けたあたたかいもてなしを感謝するために,女神自身によって創設されたといわれる。女神によって最初の麦の穂が生み出されて,エレウシスの王子トリプトレモスがその栽培を世界に広める役に任じられたことを記念する農業の祭りとしての意味をもつと同時に,これに入信した者には死後の世界における幸福が保証されると信じられた。古代を通じて全ギリシア人の熱心な崇敬の対象となった。ただし入信者は儀式の内容を口外することを禁止されていたため,具体的な細目はほとんど不明である。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「エレウシス」の意味・わかりやすい解説

エレウシス
えれうしす

エレフシス

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