マッケンジー(William Lyon Mackenzie)(読み)まっけんじー(英語表記)William Lyon Mackenzie

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

マッケンジー(William Lyon Mackenzie)
まっけんじー
William Lyon Mackenzie
(1795―1861)

イギリス領アッパー・カナダ(現オンタリオ州)の政治家。1837年の政治の民主化を求める反乱の指導者。25歳でスコットランドから移住し、4年後から『コロニアル・アドボケート』誌を発刊。これを舞台に、当時のアッパー・カナダ政界を牛耳(ぎゅうじ)る「家族盟約」を攻撃、28年に立法議会議員に選出されて政界に入った。その過激な主張で議会からの追放再選を繰り返したが、人気ある政治家として35年には初代トロント市長となった。このころから議会を通じての政治改革に見切りをつけ、37年の蜂起(ほうき)を計画するが、あえなくつぶされ、自身はアメリカ合衆国に亡命した。49年大赦により帰国し、51年にふたたび立法議会議員に選出されたが、往年の影響力は発揮できなかった。孫に後のカナダ首相W・L・M・キングがいる。

[大原祐子]

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