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ユーロファイター・タイフーン ユーロファイター・タイフーンEurofighter Typhoon

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ユーロファイター・タイフーン
Eurofighter Typhoon

イギリス,ドイツイタリアスペインが 1988年共同開発に着手した,超音速巡航の可能な多用途戦闘機。初飛行は 1994年3月。鋭くとがった胴体に三角翼とカナード翼がつき,胴体下面に空気取入口をもつ。レーダに映りにくいステルス性も有する。亜音速の接近戦でも敏捷な格闘能力があり,700mの短滑走路で離着陸可能。操縦系統はフライ・バイ・ワイヤエンジンは本機のために開発された EJ200 (推力 6t,アフタバーナ使用時 9.1t) が2基。乗員1,もしくは訓練機で前後2。全長 15.96m,全幅 10.95m,総重量 21t,最大速度マッハ2,出撃半径 650~1800km。兵装は 27mm機関砲のほか,胴体および主翼下面 13ヵ所にミサイルロケット弾,爆弾など 6.5tの装着が可能。量産機の引き渡しは 2002年から始まった。各国の調達予定数はイギリスが 232機,ドイツ 180機,イタリア 121機,スペイン 87機で,合わせて 620機になる。

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知恵蔵の解説

ユーロファイター・タイフーン

イギリス・フランス・ドイツ・イタリア・スペインの5カ国によって開発が開始された多用途戦闘機。第4.5世代に属する。開発途中にフランスが脱退し、独自にダッソー・ラファールを開発したため、最終的には4カ国で開発が続けられた。
4.5世代機であるため、高度な火器管制装置を搭載しており、対戦闘機戦闘・対地戦闘ともに適性が高い。本格的なステルス機であるF-22F-35には及ばないが、既存の戦闘機に比べるとレーダーに映りにくい特性を持っていると言われる。また、F-22同様、アフターバーナーを使用せずに行う音速飛行である「スーパークルーズ」を行える。これは同じく4.5世代に属するF/A-18E/Fや、第5世代に属するF-35でも不可能なことである。
開発を行った4カ国とオーストリアサウジアラビアで、主としてF-4戦闘機の後継機として使用されている他、他の国にも積極的に売り込みを行っている。ただし、国際商戦においてはスウェーデンの開発したより安価な多目的機であるサーブ39グリペンに敗れているケースが多い。
2011年末に機種決定される日本の次期戦闘機の候補にもなっているが、日本政府が提案を受けているのは現在開発4カ国などに配備されているトランシェ1ではなく、更に機能を強化した開発予定モデルのトランシェ3となっている。スーパークルーズが可能であることから要撃機としての特性に優れ、また双発機であり、海洋上でエンジン1基が停止しても飛行を続けられることから海洋国日本での使用にも適していると考えられている。しかし、トランシェ3の実機がまだ存在しないこと、航空自衛隊での導入実績がない欧州機であることなどが、機種決定の上での弱点となっているとされる。

(高安正明  ライター / 2011年)

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