推力(読み)すいりょく

精選版 日本国語大辞典 「推力」の意味・読み・例文・類語

すい‐りょく【推力】

〘名〙 物体をその運動方向へおしやる力。推進力。〔工学字彙(1886)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「推力」の意味・読み・例文・類語

すい‐りょく【推力】

物体を運動方向におしすすめる力。航空機では、プロペラジェットエンジンによって気体運動量を与え、その反動力を利用する。推進力。スラスト
[類語]パワー引力万有引力斥力重力無重力無重量揚力浮力動力惰力弾力表面張力向心力求心力遠心力水力火力風力原子力電力磁力

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「推力」の意味・わかりやすい解説

推力 (すいりょく)
thrust

スラストともいう。走行物体や飛翔(ひしよう)物体を進行方向に推し進める力。抗力と加速による慣性力との和に相当する。車輪と固体表面などとの間の摩擦力を利用できる道路や軌道走行車両以外の船,航空機,宇宙船などでは,推進装置により流体後方へ前進速度以上に加速し,その反動力を利用し推力を発生する。推進原動機の発生する軸動力を用いプロペラなどを回し推力を発生するものと,ジェットエンジン,ロケットなどのように流体の運動エネルギー増加として直接推力を発生するものとがある。推進原動機の出力は,前者では馬力またはkWで,後者では推力(単位kgf)で表される。また後者の場合,推力は流体の質量流量と速度増加値との積である運動量推力と,ノズル出口部における内外圧力差とノズル出口面積との積である圧力推力との和となる。プロペラ推力はその回転面を通る空気の運動量推力で,流量と速度増加との積となる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「推力」の意味・わかりやすい解説

推力【すいりょく】

スラストとも。燃焼ガスの噴出(ロケット,ジェットエンジン)や,流体を後方へ押しのける(プロペラ,スクリュー)反動で,物体を進行方向に推し進める力。重量キログラム(kgf)で表す。プロペラなどの回転による推力は馬力kWで表し,T=75ηp/V(/p)で推力に換算される。ただしTは推力kgf,ηはプロペラ効率,pは馬力,V(/p)は速度m/s。
→関連項目逆推力装置ターボジェットエンジンターボファンエンジン

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「推力」の意味・わかりやすい解説

推力
すいりょく
thrust

プロペラなどの推進器によってうしろ向きに加速された流体 (空気または水) によって生じる力,あるいはロケットエンジンなどで噴流の反作用として生じる力。噴流としては通常推進剤の燃焼ガスのほかにイオンプラズマなども用いられる。推力は加速された流体の量 (ロケットエンジンでは推進剤の流量) と加速度 (噴出速度) の積に等しい。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

潮力発電

潮の干満の差の大きい所で、満潮時に蓄えた海水を干潮時に放流し、水力発電と同じ原理でタービンを回す発電方式。潮汐ちょうせき発電。...

潮力発電の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android