化学辞典 第2版 「三重らせん」の解説
三重らせん
サンジュウラセン
triple helix, triplex
強度にすぐれるコラーゲン繊維の基本構造で,3本のコラーゲン鎖からなるらせん構造.核酸にも特殊な場合に三重らせん構造が見られる.プリン塩基がつながった比較的長いDNA領域は,相補鎖がポリピリミジン配列を有するので,ポリプリン/ポリピリミジン領域とよばれる.このような配列からなる2本鎖DNAでは,らせんの大きな溝(major groove)にそって,もう1本のDNAが結合した三重らせんを形成することができる.この三重らせん構造は,poly(A)とpoly(U)が1:2の比率で複合体をつくることから見いだされた.2本のDNAと1本のRNAからなる三重らせんも見つかっている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報