下安し(読み)シタヤスシ

デジタル大辞泉 「下安し」の意味・読み・例文・類語

した‐やす・し【下安し】

[形ク]《「した」は心の意》(多く下に打消しの語を伴う)心が穏やかである。安心である。
「うち嘆きてゐなほり給ふ程も、げにぞ―・からぬ」〈宿木

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精選版 日本国語大辞典 「下安し」の意味・読み・例文・類語

した‐やす・し【下安】

  1. 〘 形容詞ク活用 〙 ( 「した」は心の意 ) 心安い。安心である。心おだやかだ。多く否定の形で用いられる。
    1. [初出の実例]「水鳥のしたやすからぬ思ひにはあたりの水も氷らざりけり〈よみ人しらず〉」(出典:拾遺和歌集(1005‐07頃か)冬・二二七)
    2. 「胸は、おさへたるはいと苦しく侍る物をと、うち嘆きて、ゐなほり給ふ程も、げにぞ、したやすからぬ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)宿木)

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