下安し(読み)シタヤスシ

デジタル大辞泉 「下安し」の意味・読み・例文・類語

した‐やす・し【下安し】

[形ク]《「した」は心の意》(多く下に打消しの語を伴う)心が穏やかである。安心である。
「うち嘆きてゐなほり給ふ程も、げにぞ―・からぬ」〈宿木

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「下安し」の意味・読み・例文・類語

した‐やす・し【下安】

  1. 〘 形容詞ク活用 〙 ( 「した」は心の意 ) 心安い。安心である。心おだやかだ。多く否定の形で用いられる。
    1. [初出の実例]「水鳥のしたやすからぬ思ひにはあたりの水も氷らざりけり〈よみ人しらず〉」(出典:拾遺和歌集(1005‐07頃か)冬・二二七)
    2. 「胸は、おさへたるはいと苦しく侍る物をと、うち嘆きて、ゐなほり給ふ程も、げにぞ、したやすからぬ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)宿木)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android