中ソ共同宣言(読み)ちゅうソきょうどうせんげん(その他表記)Sino Soviet Joint Declaration

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「中ソ共同宣言」の意味・わかりやすい解説

中ソ共同宣言
ちゅうソきょうどうせんげん
Sino Soviet Joint Declaration

1954年 10月1日の中国の第5回国慶節に招かれたソ連の N.フルシチョフ共産党第一書記らが,周恩来首相以下中国の首脳部とアジア情勢などを協議したのち,10月 12日に北京で発表した共同宣言。中ソ両国は,両国間の全面的な協力の面でも,国際情勢に関しても,両国の視点が完全に一致していることを確認したほか,54年6月の周=ネルー共同声明で表明された平和五原則が中ソ間の協力関係でも基礎となることをうたった。また,世界情勢,とりわけアジア情勢については,アメリカに抗して諸民族の独立と平和を守るために中ソ両国が緊密に協力し合うことを明らかにしており,中ソ関係が友好的であった時代の産物であった。これと同時に,日本をアメリカの半占領状態下にあると規定し,対日国交正常化の希望を表明した「対日共同宣言」も発表された。

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