共同宣言(読み)キョウドウセンゲン(英語表記)joint declaration

デジタル大辞泉 「共同宣言」の意味・読み・例文・類語

きょうどう‐せんげん【共同宣言】

二人以上、または二つ以上の団体国家共同で発表する宣言。国家間の場合は、法的拘束力を持つものと持たないものとがある。

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精選版 日本国語大辞典 「共同宣言」の意味・読み・例文・類語

きょうどう‐せんげん【共同宣言】

  1. 〘 名詞 〙 二人以上または二つ以上の団体あるいは国家などが共同して行なう宣言。
    1. [初出の実例]「朕は帝国政府をして米英支蘇四国に対し其の共同宣言を受諾する旨通告せしめたり」(出典:停戦の詔書‐昭和二〇年(1945)八月一四日)

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改訂新版 世界大百科事典 「共同宣言」の意味・わかりやすい解説

共同宣言 (きょうどうせんげん)
joint declaration

国際法上の宣言は,本来,ある国家あるいは複数の国家の政策表明として行われるもので,一方的な意思表示を意味する。しかし,ときには国家間の合意内容とする場合がある。この場合は広義条約一種ということができる。たとえば,1956年の日ソ共同宣言などはそれにあたる。第2次大戦後における日本とソ連国交回復に関して,本来ならば平和条約方式によるのが望ましかったわけであるが,最大の懸案事項であった領土問題について合意に至らず,この問題を棚上げしたまま,とりあえず国交を回復するために,正式の条約よりも軽便な方式である共同宣言という形式を採ることになったといえる。このように,共同宣言は条約としてまとめるにはなんらかの支障があり,しかしながらある目的の実現の必要性に迫られているというような場合に採られる,国家的合意の便宜的な方法ということができる。

 共同宣言には,批准を必要とするものとそうでないものとの2種類がある。日ソ共同宣言は前者である。日ソ共同宣言は取極(とりきめ)の内容が多岐にわたり,交換公文の形式を採るにはあまりにも煩雑になるきらいがあり,平和条約は後に締結することになっているという事情の下に採られた方式である。内容的には重要な国家間の合意であったことから,批准を必要としたのは当然といえる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「共同宣言」の意味・わかりやすい解説

共同宣言
きょうどうせんげん
joint declaration

複数の国家の正式代表の間でなす政策上の宣言。国家の共通の政策を宣言し、その宣言に道義上の責任をもっても法律的に国家を拘束しないものと、法的拘束力をもつものがある。たとえば、1941年8月の米英共同宣言(大西洋憲章)は、両国の「共通の原則を公にする」にとどまった。他方、1956年(昭和31)10月の日ソ共同宣言は、両国の戦争終結を宣言したもので、法的な拘束力をもつものである。

[經塚作太郎]

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百科事典マイペディア 「共同宣言」の意味・わかりやすい解説

共同宣言【きょうどうせんげん】

広義の条約の一形式で,正式の条約とほぼ同じ効果をもつ(日ソ共同宣言など)が,国家間の共通の政策表明,合意の意思発表にすぎないこともある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「共同宣言」の意味・わかりやすい解説

共同宣言
きょうどうせんげん
joint declaration

国家間の取り決めの一つで,条約よりも軽い形式をとるもの。 1956年の日ソ国交回復では,北方領土問題が未解決のため,平和条約によらず,この共同宣言方式がとられた。共同宣言には,条約同様に当時国間に法的拘束力が生じるものと,そうでないものとがある。

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