二酸化炭素吸収材料(読み)にさんかたんそきゅうしゅうざいりょう(その他表記)carbon-dioxide absorbing materials

知恵蔵 「二酸化炭素吸収材料」の解説

二酸化炭素吸収材料

二酸化炭素〈CO(2)〉を吸蔵し、放出できる材料で、Li(2)ZrO(3)、LiFeO(3)、Li(4)SiO(4)などのリチウム系複合酸化物やBa(2)TiO(4)(オルソチタン酸バリウム)などがある。1リットルの容器に満たしたBa(2)TiO(4)は、550〜750℃で100リットルのCO(2)を約5分で吸収することから、高温ガスを放出する火力発電所や工場などでの利用が可能である。さらに、800℃以上で吸収したCO(2)を放出する性質を持つことから、CO(2)を可逆的に吸放出できる材料として注目されている。世界的な電力需要や工業のさらなる発展に際し、発電所や工場で発生するCO(2)が大気中に広がる前に、CO(2)を分離・隔離できる技術として今後の開発が期待される。

(岡田益男 東北大学教授 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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