精選版 日本国語大辞典 「仁山」の意味・読み・例文・類語
じん‐ざん【仁山】
- 〘 名詞 〙
- ① 仁者がよく楽しむ山。
- [初出の実例]「仁山狎二鳳閣一、智水啓二龍楼一」(出典:懐風藻(751)遊吉野宮〈中臣人足〉)
- ② 聖人の属性としての至徳が不動であること。
- [初出の実例]「至レ如二能寂常居以利見、妙祥鎮住以接引、提山垂レ迹、孤岸津梁一、竝皆靡レ不下依二仁山一託中智水上」(出典:性霊集‐二(835頃)沙門勝道歴山水瑩玄珠碑)
- ③ 至徳不動の人、すなわち皇帝をいう。
- [初出の実例]「方今仁山長崩、群二居無主之荒砌一、慈海已竭、共溺二恋恩之涕川一」(出典:本朝文粋(1060頃)一四・朱雀院四十九日御願文〈大江朝綱〉)
仁山の語誌
「論語‐雍也」の「仁者楽山」を短縮して成立した和製漢語。奈良・平安朝漢詩文にもっぱら用いられた。