…また所有権を時効取得するためには自分の物と思って,すなわち〈所有の意思〉(162,185,186条)をもって占有すること(これを自主占有とよんでいる)が必要である。例えば管理をゆだねられて占有しているのは所有の意思のない占有であって(これを他主占有といっている)所有権を時効取得することはできない。しかし他主占有であっても,例えばAから建物の管理をゆだねられていたBが死亡し,Bの相続人たる子Cがその建物を父親Bのものと思っていたような場合,占有者がBからCにかわった点を除き占有の外形に変化がないとしても,相続によって他主占有から自主占有にかわり,Cは時効取得が可能である(この場合,占有の期間はCだけで10年ないし,過失が認められれば20年必要である)。…
※「他主占有」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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