…民法は,当事者の力が対等であることを前提としてこうした争いについて,各当事者が自己の利益を守るための賃貸借の条件を定めるものとし,補充的な形でいくつかの規定を設けた。しかし,現実には,とりわけ不動産については,契約条件はほとんど賃貸人が決定し,賃借人は賃貸人の提示する条件(期間,賃料など)を受け入れるか否かの自由しかないことが多かった。そのため契約内容は,一般に賃借人にきわめて不利であった。…
※「賃借人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」