仙随回避

内科学 第10版 「仙随回避」の解説

仙随回避(脊髄障害の特徴)

(4)仙髄回避
 脊髄では下部髄節から入った感覚線維ほど表面を走る層構造がみられる(図15-2-5).したがって,肛門周囲の温痛覚線維は仙髄に入った後に対側の脊髄視床路の最表面を上行するので,脊髄内部からの病変では保たれる傾向が強い.この現象を仙髄回避という.脊髄の外の病変はまず最表面の線維,ついで腰髄からの線維を侵すので,頸髄の病変であってもまず肛門~下肢の感覚障害が現れうる.仙髄回避のない,つまり外からの圧迫による感覚障害では感覚のレベルよりも上に病変があるので注意を要する.[中野今治]

出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報

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