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代替医療 だいたいいりょう

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知恵蔵の解説

代替医療

近代西洋医学に「代わる」医療という意味で使われ、鍼灸(しんきゅう)、中国医学、アーユルベェーダなどの東洋由来のものから、カイロプラクティックホメオパシーといった西欧に起源を持つ医療まで、指し示す範囲は非常に多様で幅広い。似た言葉として相補医療(補完医療)があり、これは近代西洋医学を「補う」医療としてとらえた言い方となる。代替か相補(補完)かは、施術者・患者それぞれによってとらえ方が異なり、しばしばその区別はあいまいなまま用いられている。例えば、保険適用の鍼灸施術や漢方薬の処方は補完医療として行われているのが実態だが、これを代替医療と呼ぶことも多い。
もとはalternative medicineの訳語であり、米国で生まれた概念とされている。ヨーロッパでも、植物の精油を使うアロマテラピーや、足裏のマッサージを行うリフレクソロジー、ルドルフ・シュタイナーが創始したアントロポゾフィー医学など、相補・代替療法にあたる医療が発達、普及している。また、国によっては、通常の近代西洋医学と同じように医療保険が適用される。
日本では、江戸時代の終わりまで公的制度のもとで漢方医が養成されていたが、1869(明治2)年にドイツ医学が医師養成の正式カリキュラムに採用されたのと前後して廃絶。83(明治16)年には西洋近代医学教育に基づく医師の免許制度ができ、漢方、鍼灸などの伝統的な医療は民間療法の位置づけとなった。ただし現在では、漢方、鍼灸、柔道整復を始めとする徒手整体の一部に医療保険が適用されている。
相補・代替療法に対する期待感は、日本だけでなく米国やヨーロッパにおいても顕著であり、今後大きな市場が見込まれる。そのため、いち早く国際標準化の主導権を握ろうとする動きも見られるようになってきた。
米国の国立衛生研究所(NIH)では、近代西洋医学以外の医療を、相補・代替療法(Complementary and Alternative Medicine, CAM)と名付け、1990年代から実態把握等に乗り出している。また、中国は、国際標準化機構(ISO)に働きかけて、2009年より漢方製剤を含む中国医学の標準化作業を進めている。
日本でも、相補・代替療法を一般の医療現場に積極的に取り入れて統合医療を目指す動きが民主党政権下で活発化し、10年2月、厚生労働省大臣政務官を長とする「統合医療プロジェクトチーム」が発足した。このプロジェクトチームでは、NIHの分類を参考に、現在日本で行われている相補・代替療法を、伝統医学、用手療法、自然薬、食事・ライフスタイル心身相関、その他の6つに分け、それぞれについて科学的根拠の集積などを行っていく予定となっている。

(石川れい子  ライター / 2010年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」
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大辞林 第三版の解説

だいたいいりょう【代替医療】

現代西洋医学以外の医療行為の総称。鍼灸しんきゆう、漢方、カイロプラクティック、マッサージなど。西洋医学の治療法の欠点などを補うことから補完医療ともよばれる。オルタナティブ-メディシン。

出典|三省堂
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