伝搬遅延時間(読み)でんぱんちえんじかん(その他表記)propagation delay-time

改訂新版 世界大百科事典 「伝搬遅延時間」の意味・わかりやすい解説

伝搬遅延時間 (でんぱんちえんじかん)
propagation delay-time

伝送系を電波または電気信号が通過するのに要する時間。空気中の電波の伝わる速さは,毎秒約30万kmである。例えば静止衛星を用いた衛星通信においては,送信局から出た電波が衛星で中継,反射されて受信局に到着するまでの伝搬遅延時間は,約240msから270msとなる。同期動作をしている系では,構成要素の伝搬時間の不同は系の誤動作原因となる。ディジタルゲートの伝搬時間はMOS形で25~100ns程度である。
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世界大百科事典(旧版)内の伝搬遅延時間の言及

【集積回路】より

…通常はICと略称され,〈二つ,またはそれ以上の回路素子のすべてが,一つの基板上または基板内に組み込まれている回路であり,設計から製造,試験,運用に至るまで各段階で一つの単位として取り扱われるもの〉と定義されている。ここで基板substrateというのは,トランジスターやICがその上に形成される単結晶素材で,通常は元素半導体であるシリコンが使用されるが,高性能ICに対しては,化合物半導体であるガリウムヒ素GaAsが使用される。…

※「伝搬遅延時間」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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