中継(読み)ナカツギ(英語表記)repeating
transit
relay

デジタル大辞泉 「中継」の意味・読み・例文・類語

なか‐つぎ【中継(ぎ)/中次(ぎ)】

[名](スル)
途中で引き継ぐこと。「電波を―する」
二者の間に立って取り次ぐこと。また、その人。「二社の商取引を―する」
家督相続者が年少のとき、成長するまで他の人が一時家督を継ぐこと。また、その人。
三味線さお尺八、釣りざおなど、棒状の物を中間で継ぎ合わせること。また、そのように作ったものや、その継ぎ目の部分。
茶入れで、ふたと身の合わせ口が胴の中央にある形のもの。
野球で、中継ぎ投手(セットアップマン)のこと。「トレードで―を補強する」
[類語]中継ちゅうけい繋ぐ結ぶ連絡リレー

ちゅう‐けい【中継】

[名](スル)
中間でうけつぐこと。なかつぎ。「駅伝の第三中継点」「中継ケーブル」
中継放送」の略。「事故現場から中継する」「二元中継
[類語]繋ぐ結ぶ連絡中継ぎリレー

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精選版 日本国語大辞典 「中継」の意味・読み・例文・類語

ちゅう‐けい【中継】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 中間でうけつぐこと。あるものを受けて、それを他のものに渡すこと。なかつぎ。〔電気訳語集(1893)〕
  3. ちゅうけいほうそう(中継放送)」の略。
    1. [初出の実例]「ラジオの中継で吉田総理大臣の施政方針演説を聞いた」(出典:ブラリひょうたん(1950)〈高田保〉拍手)

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改訂新版 世界大百科事典 「中継」の意味・わかりやすい解説

中継 (ちゅうけい)
repeating
transit
relay

中継には,通信伝送系において信号減衰を補償するための中継器,通信網においてトラヒック処理を効率的に実行するための中継交換,機種が異なる情報処理システム間を結合するための中継コンピューターなど,対象によりいろいろな意味がある。

通信伝送路の線路損失により減衰した通信信号を補償するために,一定間隔ごとに挿入した増幅回路を中継器という。
中継器

通信回線はなるべく多くの人々に共用させたほうが使用効率が向上する。通信トラヒック理論ではこれを大群化による能率向上の法則といっている。中継交換とは多くの交換機から同一方路に向かう通信回線を集めて大群化し,回線の使用能率を向上させるための交換手段をいう。図は中継交換機導入による回線大群化の概念を示したものである。中継交換機がなければ回線は点線のように小束回線に分離されて使用能率が低い。中継交換機を付加すれば実線のようになり,T-R局間の回線は大群化されて能率的に運用することができる。中継交換導入の可否は,回線使用能率向上による伝送系の経済化と中継交換機導入による交換系のコスト増の兼合いから判断され,これにより望ましい通信回線網の形態も定められる。

コンピューター相互間,あるいはコンピューター-端末装置間などで通信を行う場合,もし機種が異なってプロトコル(通信規約)や伝送符号形式などが違っている場合には,両者の間でプロトコル変換やフォーマット変換を行って両者の間の整合をとる必要がある。このような目的で導入される通信処理装置を中継コンピューターという。
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百科事典マイペディア 「中継」の意味・わかりやすい解説

中継【ちゅうけい】

放送界では一般に,有線または無線の遠距離通信において途中に中継所(局)を設け,受信信号を増幅して伝送することをいう。また放送局相互間や,局外から放送局へ番組を送ることも中継という。→サテライト局

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世界大百科事典(旧版)内の中継の言及

【陸上競技】より

…水たまりの手前にも障害物が置かれ,競技者は水たまりを越えるか中に入って進まなければならない。
[リレー競走relay]
 男女とも4×100m(400m),4×400m(1600m)など。いずれも4人の走者がバトンをパスしながら継走する。…

【リレー】より

…継電器ともいい,19世紀の初め電信中継用として作られた。もっとも多く使われる電磁リレーは図のように小電力をコイルに入力したとき,電磁石の原理で動く接極子に連なる電気接点を閉じまたは開く。その際多数の接点によって数多くの回路を,または入力より大きな電流を断続できる。電磁リレーの特徴は入力回路と出力回路とが独立,過負荷や雷サージに強い,高信頼性,低価格などであり,用途は電話交換機,信号機,自動制御,電力の回路保護などである。…

【経緯儀】より

…測地測量,一般測量,あるいは天体観測に使用される光学器械の一種で,目標点の水平角および高度を測定するための装置。一般にトランシットtransitと呼ばれる。目標点を視準する小型望遠鏡を,鉛直,水平の2軸方式で目的の方向に向けることができ,その方向を水平目盛盤,鉛直目盛盤で読み取る構造になっている。…

【測量】より

…経緯儀は重力またはこれに垂直の方向を基準として整準し,この状態で付属望遠鏡を2点以上の目標に向け,その間の水平角を,また各点の鉛直角(高度角)を目盛盤上で読みとるものである。日本工業規格(JIS)では,目盛盤をバーニヤまたは指標で読みとるものをトランシットtransitといい,光学的な拡大装置を用いて読みとるものをセオドライトといって区別している。経緯儀の構造は,望遠鏡,水平軸,鉛直軸,鉛直目盛盤,気泡管等から構成される,鉛直軸に直角についている上板から上の上部機構と,鉛直軸,水平目盛盤,整準・求心装置等の下部機構から成り立っている。…

※「中継」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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