信夫文字摺石(読み)しのぶもじずりいし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「信夫文字摺石」の意味・わかりやすい解説

信夫文字摺石
しのぶもじずりいし

福島市街地の北東部、山口地区の文知摺観音(もちずりかんのん)境内にある石。長さ3メートル、高さ2.5メートルの巨石である。平安時代に狩衣(かりぎぬ)に用いられた毛地摺(もちずり)絹をすった石といわれる。左大臣源融(みなもとのとおる)の「みちのくしのぶもぢずりたれゆゑに乱れむと思ふわれならなくに」(『古今集』14)の歌は山口の長者の娘虎女への思慕が込められているという。江戸時代に福島藩主堀田正虎(ほったまさとら)、明治初期に信夫郡長が石の周辺を整備した。付近には多くの句碑歌碑がある。福島駅からバスの便がある。

原田 榮]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

イチロー

[1973~ ]プロ野球選手。愛知の生まれ。本名、鈴木一朗。平成3年(1991)オリックスに入団。平成6年(1994)、当時のプロ野球新記録となる1シーズン210安打を放ち首位打者となる。平成13年(...

イチローの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android