日本大百科全書(ニッポニカ) 「信夫文字摺石」の意味・わかりやすい解説 信夫文字摺石しのぶもじずりいし 福島市街地の北東部、山口地区の文知摺観音(もちずりかんのん)境内にある石。長さ3メートル、高さ2.5メートルの巨石である。平安時代に狩衣(かりぎぬ)に用いられた毛地摺(もちずり)絹をすった石といわれる。左大臣源融(みなもとのとおる)の「みちのくのしのぶもぢずりたれゆゑに乱れむと思ふわれならなくに」(『古今集』14)の歌は山口の長者の娘虎女への思慕が込められているという。江戸時代に福島藩主堀田正虎(ほったまさとら)、明治初期に信夫郡長が石の周辺を整備した。付近には多くの句碑・歌碑がある。福島駅からバスの便がある。[原田 榮] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例