化学辞典 第2版 「偏光度」の解説
偏光度
ヘンコウド
degree of polarization
光の偏った成分と偏っていない成分の割合をいう.偏っていない光というのは,なんらかの方法で光を強さの等しい二つの光線に分割できるような光をいう.すなわち,光が偏っていないということは,光の伝搬方向と直角な面内での電気ベクトルの振動や回転に特別な傾向が見られないということである.自然光も人工光も多くの場合,完全偏光でも完全非偏光でもない.したがって,これを表示するための偏光度が必要になる.偏光度は分割した光の成分によって定義される.光を完全に偏っている成分 ca と,偏っていない成分 cb に分割する.ca が直線偏光,円偏光,だ円偏光のどれであるかによって,もとの光はそれぞれ部分的直線偏光,部分的円偏光,部分的だ円偏光であるという.光を分割するもう一つの方法として振動形による方法がある.この方法では2成分の強度の差が最大になり,同時に振動方向が互いに垂直であるような完全偏光に分ける.強いほうの成分を優勢成分 cd,弱いほうを劣勢成分 ci とよぶ.成分 ca,cb,cd,ci の強さをそれぞれ Ia,Ib,Id,Ii とするとき,偏光度Vは次のどちらかの式によって定義される.ただし,パーセントで表すこともある.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報