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振動 しんどうvibration

翻訳|vibration

知恵蔵の解説

振動

騒音」のページをご覧ください。

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デジタル大辞泉の解説

しん‐どう【振動】

[名](スル)
揺れ動くこと。「爆音でガラス戸が振動する」
ある量が、一つの状態を中心に周期的に変動すること。振り子・ばねの運動や電気振動など。
数学で、無限に続く数列・関数列極限が不定で、収束せず、また極限値無限大でもないこと。

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百科事典マイペディアの解説

振動【しんどう】

物体の位置,電流の強さなどの物理量が一定時間(周期)ごとに一定の(減衰振動などではほぼ一定の)値をとるよう,規則正しく変動すること。振動するものを振動体といい,その種類により弾性振動,電気振動などがある。
→関連項目環境破壊共鳴公害公害対策基本法公害病産業公害チリ地震都市公害

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世界大百科事典 第2版の解説

しんどう【振動 oscillation】

糸の一端におもりを結びつけ,他の端を支えて振子を作り,静かにつるすと,おもりは支点の鉛直下方に静止する。この状態でおもりを水平方向に軽くはじくと,おもりは支点を中心として糸の長さを半径とする鉛直面内の円周に沿って,その最下点の付近で往復運動を繰り返す。この運動が振動の典型的な例である。このような振動は日常われわれの身の回りで数多く見ることができる。例えば天井からつり下げた電灯,電車のつり皮,クレーンの腕の先端からつり下げられた滑車などが揺れ動くのはすべて振動である。

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大辞林 第三版の解説

しんどう【振動】

( 名 ) スル
振れ動くこと。 「ガラスが-する」
〘物〙 粒子や物体の位置、あるいは電流の方向・強さなどの物理量が、限られた範囲で周期的に変化する現象。 「振り子が-する」
電気や磁気の場などが、時間的・空間的に周期的変化をすること。空間に関する周期的変化は波とも呼ぶ。
〘数〙 発散数列のうち、正の無限大に発散することもなく、負の無限大に発散することもないこと。 → 発散

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

振動
しんどう
oscillation; vibration

振り子のふれ,おもりをつるしたゴム紐の伸縮運動のように,安定な平衡点をはさんで周期的に位置が変化する運動。振動は,平衡点の正負どちらへ位置をずらせても平衡点に向って戻る復元力が働く系に変位 (位置のずれ) を与えたときに起る。空間を伝わる振動を波または波動という。最も基本的な振動は変位の時間変化が正弦関数で表わされる単振動であって,一般の周期的振動はフーリエ分解によっていくつかの単振動の重ね合せで表わされる。
振動系はその構造によって定まった固有振動をもつ。振動系に復元力だけが働くときには自由振動,抵抗などのように振幅を減少させる制動力も働くときには減衰振動が起る。さらに周期的な強制力が加わると強制振動が起り,強制力と固有振動との振動数が一致すれば共振 (→共鳴 ) が生じる。また,2個以上の振動系を結合させれば連成振動を生じる。弦,膜,板,棒などの物体は無限に多数の質点の集合体であるから,その弾性振動は個々の質点の振動が連成して生じた複雑な振動である。この振動の様子の違いが種々の楽器の音色の違いを生じる。複雑な周期振動はフーリエ分解して,ある振動数の基本振動とその倍振動との和の形に表わせる。これを振動の調和解析という。さらに拡張して,任意の物理量が周期的に変動する現象を一般に振動という。電気振動などはその例である。
力学系の振動,弾性振動,音響振動,電気振動などは類推によって統一的に理解できる。たとえば,弾性振動する弦や膜から音波が放射されるように,振動する電荷から電磁波が放射される。また,音波が共鳴箱に共振してとらえられるように,電波はアンテナ回路に共振して受信される。分子や結晶などの内部の熱運動は大部分が構成原子やイオンの平衡位置近くで行う振動であって,熱振動と呼ばれる。熱振動を量子力学で扱うことによって,比熱などの物質の性質が理解される。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

振動
しんどう
oscillationvibration

糸でおもりを吊(つ)るした振り子が左右に揺れる運動や、つるまきばねの下端につけたおもりが上下に動く運動のように、位置や量が、ある時間ごとに繰り返し変化する現象。[飼沼芳郎]

単振動

1直線上を運動する質量mの質点が、その直線上の原点からの変位xに比例する復元力F(x)=-kx(k>0)で原点に引かれる場合には、この質点の時刻tにおける変位x(t)はx(t)=asin(ω0t+δ)で、質点は単振動をする。ここに、aは振幅、位相角(ω0t+δ)のω0は角振動数で、ω0=2πν0=2π/Tである。ν0は振動数、Tは周期である。このような復元力の場では、質点は位置のエネルギー(1/2)kx2をもつ。[飼沼芳郎]

電気振動

コンデンサー(蓄電器)CとソレノイドLの両端を接続したLC回路に生ずる電気振動は、力学的な単振動に類似した現象である。ソレノイドの自己誘導係数Lは質点の質量mに、コンデンサーの容量Cの逆数は復元力の係数kに、コンデンサーの両極板の電荷、プラスQ、マイナスQQは質点の変位xに、電流Iは質点の速度vに、それぞれ対応する。また、コンデンサーの両極板間に生ずる電場のエネルギーは質点の位置エネルギーに、ソレノイドに流れる電流のつくる磁場のエネルギーは質点の運動エネルギーに対応する。このような対応関係をみれば、LC回路に電気振動が生ずるのは当然のことであると理解できるであろう。[飼沼芳郎]

減衰振動

実際には、質点に抵抗力が働き、振動はしだいに減衰して、ついには静止する。抵抗力が質点の速度に比例する場合には、振動を繰り返すたびに、振幅が指数関数的に減少する。このような振動を減衰振動という。電気振動においても、回路に電気抵抗Rが直列に接続されたLCR回路では、減衰振動がおこる。[飼沼芳郎]

強制振動

外力が質点に働かぬ場合の振動を自由振動という。自由振動としては減衰振動をする質点に、時間とともに振動的に変化する外力が働き、押したり引いたりを繰り返す場合には、最初の過渡的な振動が減衰したのち、質点は外力と同じ振動数で振動する。これを強制振動という。強制振動において、外力が質点に単位時間にする仕事、すなわち質点が単位時間に吸収するエネルギーの平均値は、外力の振動数が質点の固有振動数(抵抗力ゼロのときの単振動の振動数)に等しいときに最大になる。これを共鳴、または共振という。直列のLCR回路を交流電源に接続した場合にも、電気振動の強制振動がおこる。[飼沼芳郎]

連成振動、連続物体の振動

水平に張った糸に、おもりの質量も糸の長さも等しい二つの振り子をつけて振動させる。二つの振り子の間には相互作用があり、各振り子の振動は独立ではない。このような種類の振動を一般に連成振動という。この二つの振り子が同一方向に振れるような型、および反対方向に振れる型の振動は互いに独立であり、時間が経過しても振動の様態に変化がない。このような振動を基準振動または固有振動といい、その振動数は基準振動数または固有振動数とよばれる。
 連続物体の振動には、支持方法などによって規定される境界条件を満たすような基準振動の型が無数に現れる。この基準振動は連続物体を伝わる波の重ね合わせによって生ずる定在波の振動ともみなされる。基準振動をしている連続物体には振幅最大の腹(はら)の場所と、振幅ゼロの節(ふし)、節線、節面がみられる。連続物体の振動の例としては、ピアノや琴の弦のような両端を固定した弦の横振動、太鼓やドラムの皮のような周囲を枠に固定した膜の振動、木琴のように両端が自由な棒の曲げ振動、つるまきばねの縦振動、オルガンのように一端が閉じ他端が開いた管内の空気柱の振動、クラードニの方法(板の中央とへりの1点を固定し、板のへりをバイオリンの弓でこする方法)による板の振動、音叉(おんさ)の共鳴箱の中の空気の振動、空洞共振器内におけるマイクロ波領域の電磁波の振動などがある。音叉は曲げた棒のような振動をし、その下部は振動の腹になる。鐘は曲げて絞った板のような振動をし、振動の節線が鐘の頂点を通る鉛直面上に現れる。
 上端を固定して吊るした針金の軸の周りのねじれ変形の振動、すなわちねじれ振動は、たとえば金属の剛性率(ねじれの弾性率)の測定に用いられる。針金のねじれを利用して微小な力を測定するねじれ秤(ばかり)が、キャベンディッシュの万有引力法則の実験や電気のクーロンの法則の実験に用いられたことはよく知られている。ねじれ秤の針金に働く偶力のモーメントとねじれ角の比の決定にもねじれ振動が用いられた。[飼沼芳郎]

非線形振動

振動の運動方程式が、変位、速度、加速度などの一次式では表すことができぬ場合の振動を非線形振動という。振り子の振れ角が大きい場合には、復元力が振れ角に比例するという近似を使用することができなくなる。この場合には、振り子の振動の周期は振幅とともに増大し、単振り子の等時性が失われる。ぶらんこの振動は、これに乗ってぶらんこをこぐ人の重心が周期的に上下することによって励起される。これは振り子の糸の長さが周期的に変化することに相当する。糸の長さのように振動を決定するパラメーターを時間的に変化させることによって振動をおこすことをパラメーター励振という。弦の横振動には、弦の張力を周期的に変化させて振動を励起するメルデの実験がよく知られているが、これもパラメーター励振である。バイオリンの弦に弓を押し付けて引くと弦が振動する。チョークで乾いた黒板に線を引くとき、きしんで点線が描かれることがある。これらは、それ自身は振動的でない原因によって持続的な振動がおこるものであり、自励振動とよばれる。いずれの場合にも、二つの物体の相対速度が大きくなると摩擦力が減るという乾性摩擦の性質に関係する。このような摩擦力は負抵抗として働く。普通の正の抵抗が働くと、振動の力学的エネルギーは失われるが、負の抵抗が働くと、力学的エネルギーが外部から供給されその結果、振動が成長し振幅が大きくなる。九州の大分県日田(ひた)市の小鹿田(おんだ)焼の陶器にとびがんなの刻み目をつけるときにも、ろくろの上で回転する生乾きの皿などに金鋸(かねのこぎり)の刃のような薄く弾力的な金属板(かんな)を押し付けたときにおこる自励振動が用いられている。日本式庭園などにみられるししおどし、添水(そうず)は、竹筒の一端を斜めに切り、筒の中央を水平な軸で支え、懸樋(かけひ)の水を竹筒に受け、水がたまると重心が移動して竹筒が傾いて水を吐き出し、元の位置に戻るとき、竹筒の底が石を打って鋭い音を発するものであり、以後このような振動が繰り返される。このような振動は緩和振動とよばれる。ネオン放電管とコンデンサーCを並列につなぎ、これを抵抗Rを通して直流電源につないだ回路では、緩和振動がおき、時間とともに鋸歯状に変化する電圧が発生する。ネオン管の放電が停止している間は、コンデンサーに充電が続けられ、その両極板間の電圧がネオン管の放電電圧に到達すると、ネオン管が放電して、電圧が一挙に低下し、放電が停止する。以後これが繰り返される。
 連続物体の振動においても、その振幅が十分に小さくないときには、しばしば非線形振動がおき、物体のさまざまな基準振動は互いに独立ではなくなり、それらの基準振動の間に相互作用が生ずる。[飼沼芳郎]

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世界大百科事典内の振動の言及

【触覚】より

…19世紀に触,温,冷,痛覚に対応する感覚点sense spotが発見され,以来触覚が温,冷,痛の諸感覚からより明確に分離されるようになった。
[触覚と刺激]
 変形が1回かぎりであればそれは軽い一過性の接触の感じをおこすが,これがある頻度(10回/秒以上)で繰り返されると振動感覚vibrationを生じ,変形が一定時間以上持続するときには圧覚pressureを生じる。接触の感じは,局所的な圧迫によって皮膚がへこんだときおこるほか,たとえば皮膚に接着した物体を介して皮膚が軽くひっぱり上げられても生じる。…

【地下鉄道】より

… 軌道は,運転頻度の高い列車を対象に,建設費の節減と保守作業の軽減を図るために,軌道構造の強化,簡素化が行われており,道床をコンクリートでつくったり,あるいはレールを道床に直接締結する方式などを採用している場合が多い。また後述するが,電車通過時の騒音,振動対策もとられている。日本の地下鉄の軌間は,狭軌(1067mm)と標準軌(1435mm)がほとんどであるが,東京都営新宿線の1372mmや札幌のゴムタイヤ軌道(南北線,ゴムタイヤ中心間隔2300mm)もある。…

※「振動」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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