普及版 字通 「僥」の読み・字形・画数・意味
僥
14画
[説文解字]
[字形] 形声
声符は堯(尭)(ぎよう)。〔説文〕八上に「南方に焦僥(せうげう)り。人の長(たけ)三尺、短の極(いた)りなり」とする。字は僥倖の意にも用い、〔荘子、在宥〕「何(いくばく)ぞ僥倖にして人の國を喪(うしな)はざらんや」とあり、〔釈文〕に字をまた徼に作るという。徼は祭梟(さいきよう)(首祭)の呪儀によって、強いて求める意。僥をその義に用いるのは仮借。堯は土器を焼成するため累々として重ねる意。僥はその累々たるさまを、人の身に移していうものであろう。直立しないものの意をも含む。
[訓義]
1. 焦僥、累々として長(たけ)短きさま、その人、南方の異民族の名。
2. 徼と通じ、もとめる、ねがう。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕僥 ミジカシ・ヒキナリ/僥倖 サイハヒ 〔立〕僥 タマサカナル・ミジカシ・ヒキヒト・ヒキナリ
[語系]
僥・堯・嶢ngyは同声。堯声の字にみな累々と重ねる意がある。徼・kyは声近く、徼に徼求の意があり、僥をその義に仮借して用いる。
[熟語]
僥会▶・僥冀▶・僥覬▶・僥求▶・僥競▶・僥倖▶・僥取▶・僥薄▶・僥冒▶・僥望▶・僥覦▶・僥濫▶・僥利▶・僥▶
[下接語]
焦僥・僥
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報