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土器 どきearthenware

翻訳|earthenware

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

土器
どき
earthenware

粘土をこねて器の形をつくり,これを焼いてつくった素焼の容器。陶器,磁器に対する呼称。登り窯のような特別な施設を必要とせず,600~900℃ぐらいで焼かれる。器形や文様などに民族的,時代的特徴があり,考古学,歴史学の研究に重要な資料である。また,文字以前の先史時代においては,土器様式の変遷によって時代区分の編年が行われている。

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デジタル大辞泉の解説

かわら‐け〔かはら‐〕【土器】

《瓦で作った笥(け)の意》
釉(うわぐすり)をかけない素焼きの陶器。
素焼きの杯。陶坏(すえつき)。
成年女性の陰部に毛の生えないこと。
酒宴。
「―始まり、御箸下りて」〈宇津保・吹上上〉

ど‐き【土器】

粘土を焼成して作った素焼きの器物。陶器磁器に比べ、一般に焼成火度は低い。古くから世界各地で見られ、日本では縄文土器弥生土器土師器(はじき)がある。出土した層や器形・文様などから考古学上の重要な資料となっている。かわらけ。

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百科事典マイペディアの解説

土器【どき】

粘土を材料として成形し,焼いた容器。釉(うわぐすり)をかけず,多孔質で吸水性がある。
→関連項目セラミックステッサリア文化陶磁器ラ・テーヌ文化

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防府市歴史用語集の解説

土器

 粘土で形を作った後に乾かし、焼いたものです。縄文時代から形や作り方を変えながらも、ずっと作られます。

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世界大百科事典 第2版の解説

どき【土器】

粘土を水とともにこねて均質に仕上げた材料(素地(きじ),坏土(はいど))を,その可塑性を利用して造形し,よく乾燥させてから焼き上げた器。微小な孔やすき間がたくさんあいた多孔質であるため吸水性があり,中に水をいれるとにじみ出る。焼成温度は1000℃未満のものが多く,とくに600~800℃程度が多い。耐熱性の強い素地を用いて1000℃以上(1100~1300℃)の高温で焼き上げた,多孔質でない焼物(たとえば備前焼など)は炻器(せつき)と呼ばれる

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大辞林 第三版の解説

かわらけ【土器】

〔「瓦かわら」の意〕
うわぐすりをかけてない素焼きの陶器。
素焼きの杯さかずき
酒宴。酒盛り。 「御-始まり御箸下りぬる程に/宇津保 祭の使
〔近世語〕 女性が年頃になっても陰毛のないことをいう俗語。また、その女性。

どき【土器】

粘土を焼成して作る素焼きの容器。陶器や磁器にくらべ、焼成温度は一般に低い。日本では縄文土器・弥生土器・土師器はじきが多量に出土し、考古学研究上の貴重な資料となっている。かわらけ。

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食器・調理器具がわかる辞典の解説

かわらけ【土器】

釉薬を施さずに素焼きで作る焼き物。特に、盃。古くは食器として、後に灯明の油を入れるのに用いた。こんにちでは、主に神事に用いる杯や皿をいう。

どき【土器】

土や粉末状の鉱物を練って成形し、釉薬を用いず、比較的低い温度で素焼きして作るもの。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

土器
どき

小石や砂などの混ぜ物をつなぎとした粘土を素材に形づくり、焼き上げた容器。日本の縄文土器、弥生(やよい)土器、土師器(はじき)がその実例である。土器の焼成温度は600~900℃で一般に低く、後代の構造的な窯で焼いた陶磁器とは異なり、多くは平地または簡単な凹地(くぼち)で焼いたと推定される。焼成温度が高く、胎土(たいど)中の長石や石英などの鉱物が溶けて釉薬(ゆうやく)をかけた状態となり、ついには胎土も改良されてガラス質の光沢ある非常に硬い容器となる陶器(1200℃以上)や磁器(1350℃以上)とは区別される。また土器よりは高温で陶器よりは低温(1000℃以上)で焼かれたものは陶質土器とよばれるが、日本の須恵器(すえき)、朝鮮の新羅(しらぎ)焼がこれにあたる。[麻生 優]

土器起源論

食物の調理法は、土器が存在しない段階では、生(なま)か、焼くか、焼け石をくぼみの水に入れて温度を上げる程度の方法しかなかった。ここに土器づくりがおこり、これはまさに人類が化学変化を応用した最初の大事件であった。以後、土器の使用により、いままで食べられなかった固い食物を柔らかくする煮炊きが容易になった。食物の可食範囲は著しく拡大した。その画期的な技術革新を重視して、旧石器時代から新石器時代への変革期と認めたことさえあった。
 理論的起源論には、バスケットを土台に粘土を塗り、焼いた土器づくりを最初とする説に代表されるヒョウタン、皮袋などの容器模倣説と、パンづくりと土器づくりとを関連させて、製作工程の類似から説く説とがある。これに対し、考古学上の発掘事実を重視する立場がある。イランにある8000~9000年前のガンジ・ダレ遺跡からは、大地に固定して据え付けた土器が出土した。一方、移動可能な煮沸(しゃふつ)用容器は、長崎県泉福寺(せんぷくじ)洞穴出土の日本最古の豆粒文(とうりゅうもん)土器で、放射性炭素法年代測定によると1万2000年前のものである。現在のところ、日本最古の土器は同時に世界最古の土器となるが、世界各地の土器起源を単一起源説で説明はできない。おそらく異なった条件や自然環境のなかで、各地域それぞれの原因に基づいて発生したとみる多元説が妥当であろう。[麻生 優]

土器の製法

土器の製作工程は、実物の観察と民族学的な知見と実験考古学とによって想定される。通常は、素地(きじ)作製、成形、調整、施文、乾燥、焼成の手順で進められる。
 粘土の精粗と選別または混和材の種類によって、多種多様な胎土がつくられ、また特異な混和材は地域性や時代性を表し、その土器の一大特徴を形成する。
 土器成形法は轆轤(ろくろ)の使用と未使用とに大別される。轆轤の初歩的なものには回転台があるが、多くの先史時代土器は、手捏(てづく)ね法、輪積み法、巻上げ法、型押し法などのまったく轆轤を使わない方法による。考古学では、小破片の観察で全体を推定するため、各方法が単独で一個体の技術全体であると思いがちであるが、民族例によれば二方法の組合せもある。
 器壁を薄くし、器面を平らにし、器面の緻密(ちみつ)さや粗面の形成を目的にして形を整える調整がある。指先、布、革、骨、石、貝殻、割り板、竹、葉などを器面にあてがい、なでる、削る、ひっかく、磨く、塗るなどの作業をして、前記の目的を達する。
 施文効果をあげるため、沈文、浮文、塗彩、彩文、描画、顔料充填(がんりょうじゅうてん)、象眼(ぞうがん)などの手法を用いる。
 乾燥は、土器の形が完成し、文様が施されたあとで行われる。緻密な素地のものは日陰で時間をかけるが、粗放な素地のものは直射日光で短時間に乾燥させる。
 窯の使用の有無や焼成の方法で、土器面の色調に変化が生ずる。[麻生 優]

土器の用途

土器の本体および各部名は、土器全体の形を人体に見立てて、ものを出し入れする部分を「口」、最下端部を「底」、その間を「胴」とよぶ。各部の変化によって全形の変化が生まれ、深鉢、浅鉢、皿、甕(かめ)、壺(つぼ)、高坏(たかつき)などの種類に区別される。
 日本の縄文土器は、深鉢形を基本形態として発達し、時代を追って各種の器形分化をみせた。弥生土器は、貯蔵用の壺、煮炊きの甕、盛り付けの鉢、高坏の主要器種分化がみられる。また日用品(実用品)と祭祀(さいし)・埋葬用とが区別できる。つまり形と大きさとは、その用途と深くかかわっており、吊手(つりて)形、器台、ランプ、香炉形など各種の変形があるが、甕棺として人体埋葬用のものさえある。しかし土器はなんといっても日用什器(じゅうき)の重要な役割を担っていた。
 考古学研究では、生活に密着していた土器をとくに重視する。長い間に朽ち果てることもなく、多量の出土・発見が見込まれるからである。資料が豊富なうえに、時代的、地域的な特徴を敏感に反映している。ときには言語の方言と、土器の地域差とを重ね合わせて、文化史的意味をくみ取ることもできる。[麻生 優]

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世界大百科事典内の土器の言及

【縄文文化】より

…日本列島における旧石器時代文化に後続する狩猟漁労採集経済段階の文化。縄文土器編年に基づいて草創期,早期,前期,中期,後期,晩期の6期に区分される。その開始は,炭素14法の年代測定値や汎世界的な海水準変動の地質学的年代などから前1万年前後と推定する長編年説,相対年代法により約前2500年とする山内清男(やまのうちすがお)の短編年説があるが,実際は長編年説にやや近い年代と考えられる。…

※「土器」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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