日本大百科全書(ニッポニカ) 「全院委員会」の意味・わかりやすい解説
全院委員会
ぜんいんいいんかい
明治憲法下の帝国議会において各議院に設けられた委員会の一つ。全院委員会のほか、常任委員会、特別委員会および継続委員会の4種類があった。全院委員会は、本会議と同じく全議員を構成員とする委員会であるが、委員長は毎会期の初めに議長以外の議員中から選挙によって選ばれ、また本会議とは議事規則が異なっていた。委員会を開くのは、議長または議員10人以上の発議により議決を必要とした。定足数は3分の1で、本会議と同様、公開を原則とした。全院委員会の制度は、イギリス国会にその沿革を有し、明治憲法下の日本でも採用されたものであるが、帝国議会において実際に開かれた例はない。現行憲法下では、各議院の委員会は常任委員会および特別委員会の2種類で、全院委員会は存在しない。
[山野一美]