六十二見(読み)ろくじゅうにけん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「六十二見」の意味・わかりやすい解説

六十二見
ろくじゅうにけん

ゴータマ・ブッダ在世当時 (前6~5世紀) のインド思想界の状況を 62種に分類し,まとめたもの。過去に関する説 (本劫本見) が 18種。すなわち,自我と世界の常住論4種,自我と世界の一部を常住とする説4種,世界の有限無限に関する説4種,詭弁論4種および無因論2種,未来に関する説 (末劫末見) 44種,すなわち,死後有想論 16種,死後無想論8種,有想でも無想でもないとする説8種,断滅論7種,現在生涅槃論5種で合計 62種の異なった見解がある。これは『長阿含経』の説であるが,『大品般若経』『涅槃経』などに異説がある。

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