其国寺跡(読み)きこくじあと

日本歴史地名大系 「其国寺跡」の解説

其国寺跡
きこくじあと

京都市下京区にあった室町時代の時宗寺院。現存しない。「康富記」康正元年(一四五五)一一月二八日条に載る室町幕府奉行人奉書に「朝恩地七条坊門朱雀与坊城之間北頬敷地東西肆拾丈、北南廿丈、号猫間畠事、限永代令沽却于其国寺直阿」とみえる。応仁の乱以前の様子を記すという中古京師内外地図や、乱後の様子を描くとされる中昔京師地図では、樋口ひぐち小路南、あぶら小路西辺りに其国寺を記し、「宗長日記」の大永六年(一五二六)九月頃の記事にも「樋口油小路其国寺」とあるから、現在の下京区上金仏かみかなぶつ町西側にあたると考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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