凝当(読み)ギョウドウ

デジタル大辞泉 「凝当」の意味・読み・例文・類語

ぎょう‐どう〔‐ダウ〕【凝当/凝濁】

杯の底に残った酒。また、その酒で、杯の口を当てた部分を洗い流すこと。また、杯の飲み残しを捨てるための容器魚道ぎょどう
「―と申し侍るは、底にりたるを捨つるにや候ふらん」〈徒然・一五八〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「凝当」の意味・読み・例文・類語

ぎょう‐どう‥ダウ【凝当・凝濁・魚道】

  1. 〘 名詞 〙 杯の底に残った酒。また、杯を他にすすめるとき、杯に飲み残した酒で、口を当てた部分をすすぎ流すこと。また、杯の底に残った酒を捨てる器。魚道(ぎょどう)
    1. [初出の実例]「非戸凝濁、及熱等類触」(出典:西宮記(969頃)八)
    2. 「『盃のそこを捨つる事は、いかが心得たる』と、或人の尋ねさせ給ひしに、『凝当(ぎょうだう)と申し侍るは、そこに凝りたるを捨つるにや候ふらん』と申し侍りしかば、『さにはあらず。魚道(ぎょだう)なり。流を残して、口のつきたる所をすすぐなり』とぞ仰せられし」(出典徒然草(1331頃)一五八)

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