西宮記(読み)さいぐうき

  • さいきゅうき
  • せいきゅうき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

「さいきゅうき」とも読む。朝廷儀式などのしきたりを記した書。作者西宮左大臣源高明平安時代中期に成立。諸種の古写本があるが,もともと稿本であったため,巻数も編目の順序も一定していない。恒例年中行事臨時の諸儀礼,服飾輿車などの規定を記している。『故実叢書』『史籍集覧所収

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百科事典マイペディアの解説

平安時代の儀式・故実(こじつ)の典拠書。〈さいぐうき〉〈せいきゅうき〉ともいう。撰者は源高明(たかあきら)。高明邸宅が平安京の右京(西京(にしのきょう))にあったため,彼は西宮(にしのみや)左大臣と呼ばれ,これが書名の由来となる。高明は969年の安和(あんな)の変失脚するが,本書の成立がそれ以前か以後かは不明。儀式・故実の書は9世紀には官撰として編纂されるが,10世紀以降は私撰のものも現れ,本書は私撰のもののうち現存最古とされる。古くから伝わる写本の巻数はまちまちで,その内容にもかなりの異同があるが,平安時代の儀式・故実を知るうえで貴重。
→関連項目貞信公記吏部王記

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世界大百科事典 第2版の解説

平安時代の儀式・故実の書。〈さいぐうき〉とも読む。撰者は源高明(みなもとのたかあきら)。高明は914年(延喜14)醍醐天皇皇子として生まれ,臣籍に下って源姓となり正二位左大臣に昇るが,969年(安和2)の安和の変により失脚,982年(天元5)に没した。その邸宅が平安京右京(西京)の四条北大宮東(錦小路南朱雀西とも伝える)にあったので,高明を西宮(にしのみや)左大臣とよび,本書を《西宮記》または《西宮抄》という。

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精選版 日本国語大辞典の解説

平安時代の有職書。源高明著。安和二年(九六九)頃成立。延喜(九〇一‐九二三)以後の朝儀・典礼を記し公事・行事の儀式次第、作法、装束、制度などについて解説。国史や日記などから事例を引用し、史料価値も高い。なお、後世の人の追記も含まれている。さいぐうき。せいきゅうき。

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旺文社日本史事典 三訂版の解説

平安中期,左大臣源高明の有職 (ゆうそく) 書
「さいきゅうき」とも読む。朝廷の年中行事や儀式,史実や制度を知る重要な史料

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世界大百科事典内の西宮記の言及

【古文書学】より

…平安時代になって朝廷の儀式典礼が盛大に行われるようになると,それに関する正確な知識が要求され,有職故実の学が発達し,有職書が編纂される。源高明《西宮記》,藤原公任《北山抄》,大江匡房《江家次第》はその代表的なもので,このなかには文書の作成発布に関する儀礼や慣習なども述べられている。これらは,この時代新たに成立した令外様文書に関する解説書といえる。…

【源高明】より

…ことに朝儀,故実に精通し,一世源氏の尊貴さもあって朝廷に重きをなした。恒例,臨時の儀式,政務を記した著《西宮記(さいきゆうき)》は,以後の貴族政治における重要な典拠の一つとされ,現在も王朝政治・文化研究の貴重な史料である。彼は九条流の故実の祖である右大臣藤原師輔に信頼され,師輔は三女を彼の室とし,その女が没すると五女愛宮をその室とした。…

※「西宮記」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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