化学辞典 第2版 「凝縮膜」の解説
凝縮膜
ギョウシュクマク
condensed film
希薄な塩酸水溶液の広い水面に,ステアリン酸のような直鎖脂肪酸の分子膜をつくり,その1分子当たりの表面積Aを適当な仕切りを使って圧縮していくと,表面圧Fが急に立上りを示す限界表面積に到達する.これはFA = 一定で示される気体膜に対して凝縮膜という.気体膜に比べて,1分子当たりの表面積ははるかに小さく,脂肪酸が水面に直立すると考えたときの切口面積が得られ,その厚さが分子の長さに相当することになり,それぞれ妥当な値が得られている.膜の流動性から凝縮膜に液体膜と固体膜のあることが知られている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報