化学辞典 第2版 「分子軌道関数」の解説
分子軌道関数
ブンシキドウカンスウ
molecular orbital
略称MO.電子が分子の構成原子から離れて運動できるとしたときの電子の運動状態を示す波動関数().確率密度
* = ||2
は分子全体に分布し,電子は分子全体にわたって存在することができる.分子軌道関数の求め方として,もっとも多く用いられている方法としてLCAO近似があるが,そのなかのAO(原子軌道)の係数は,対称性の高い分子を除いて,一般には永年方程式を解いて決定される.すなわち,ヒュッケル法では永年方程式より軌道エネルギーを求め,それに対応する分子軌道関数を求める.また,もっとも近似を高めた半経験的方法の一つであるPariser-Parr-Pople法などでは,いわゆるHartree-FockのSCF法により,永年方程式を繰り返しの手続きを経て解き,分子軌道関数を求める.[別用語参照]分子軌道法,SCF MO
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報