(1) 単項式の係数 単項式 3ax2 において,3は ax2 の係数,3a は x2 の係数であるという。このように単項式において,そのなかの文字に着目したとき,残りの因数全体を,着目した文字の係数という。数因数がある場合,その数は常に他の文字の係数であって,これを数係数という。 (2) 多項式の係数 x の多項式 f を f(x)=a0xn+a1xn-1+…+an-2x2+an-1x+an の形に書いたとき,数 ai(i=0,1,2,…,n)を,多項式 f の係数という。すべての ai が体 K の元ならば,この f を体 K の上の多項式という。 (3) ベクトル空間の係数 多項式は xn,xn-1,…,x,1を基底とする(n+1)次元ベクトルとも考えられる。それで一般に,ベクトル空間でスカラーのことを係数という。