分散人工知能(読み)ぶんさんじんこうちのう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「分散人工知能」の意味・わかりやすい解説

分散人工知能
ぶんさんじんこうちのう

アメリカで始まった研究分野の名称。英語名称Distributed Artificial Intelligenceの頭文字をとって略称DAI。もともとは、ペンタゴン(アメリカ国防総省)の要請レーダー網からの情報を統合し、敵味方の判別などを行うために発展した分野とされる。各地に分散しているレーダー等の感知装置の情報を統合し、飛行機の感知、判別、追跡などを行うシステムである。

 その後一般化され、分散人工知能ということばは、マルチエージェント研究の意味で使われている。アメリカのDAIの会議は、日本のマルチエージェントと協調計算研究会、ヨーロッパのマルチエージェントの会議と合体してICMAS(International Conference on Multiagent Systems)となり、ICMASがさらにAutonomous Agentsの会議と合体して現在のAAMAS(Autonomous Agents and Multiagent Systems)になっている。

[中島秀之 2019年9月17日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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