分極的多党制(読み)ぶんきょくてきたとうせい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「分極的多党制」の意味・わかりやすい解説

分極的多党制
ぶんきょくてきたとうせい

多党制のうち,分極的な傾向が強い政党制。極端な多党制ともいう。イタリアの政治学者ジョバンニ・サルトリが分類した政党制の一つ。特徴として,(1) 政党数が 6~8,(2) 政党間のイデオロギー距離が大きい,(3) 一定程度の反体制政党が存在する,(4) 政権交代軸が 3極以上ある,(5) 中間勢力が存在する,(6) 政党間競合が遠心的,(7) 政権担当機会に恵まれぬ政党が発生し,それがいずれ無責任政党化する,などがあげられる。分極的多党制は政権の不安定化や政策決定の遅延を招きやすい。1919~33年のドイツワイマール共和国や,1948~93年のイタリアが該当する。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android