日本大百科全書(ニッポニカ) 「利休百首歌」の意味・わかりやすい解説
利休百首歌
りきゅうひゃくしゅか
千利休(せんのりきゅう)が茶道の心得、点茶の技術などを初心者に示すために道歌約100首を集めたものとされるが、実際は江戸中期に100首がまとめられ利休の名が冠されたものと考えられる。1巻。諸本により100首に過不足がある。裏千家(うらせんけ)の玄々斎宗室の写本には『茶道教諭百首詠』の題名があり、宗室はまたこの歌を襖(ふすま)に書きつけて初心者の教えとした。その襖は、法護普須磨(ほごふすま)として今日庵(こんにちあん)に伝わる。
なお、『群書類従(るいじゅう)』飲食部所収の『紹鴎茶湯(じょうおうちゃのゆ)百首』や『遠州茶湯百首』などは、本書と内容がほぼ同じものである。
[筒井紘一]