刺糸(読み)しし

精選版 日本国語大辞典 「刺糸」の意味・読み・例文・類語

し‐し【刺糸】

  1. 〘 名詞 〙 刺胞動物の刺細胞内に収められている中空の糸状物。刺激によって他動物に射出し食物の摂取防御などに役立てる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の刺糸の言及

【腔腸動物】より

…触手には刺胞という腔腸動物特有の武器が散在している。刺胞は外胚葉の細胞囊が変化したものであって,その中にとげをもった刺糸(しし)基部があり,細長い刺糸に続いている。刺胞囊はふつうふたで覆われているが,種々な刺激を受けると刺胞内部の器官が反転して発射され,相手に深く突き刺さると毒液を分泌して麻痺させる。…

【刺胞】より

…刺胞は刺細胞nemarocyte(cnidoblast)とよばれる細胞内にそれぞれ1個ずつ含まれる細胞器官で,一般には球形ないし卵形などであるが,その形態には20余種類の型が区別されている。これら刺胞のうち最もふつうのものは貫通刺胞(または普通刺胞)とよばれるもので,その内腔中に1本の中空の刺糸を内蔵しており,この刺糸がある刺激によって反転して翻出し,一瞬のうちに相手動物の体内へ打ち込まれ,その刺糸を通って内腔中の毒液が注射される。刺胞は一度発射すると元へもどることはなく,使い捨ての細胞器官である。…

※「刺糸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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