出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
腔腸動物(こうちょうどうぶつ)門のうち、クシクラゲ綱を除いたヒドロ虫綱、ハチクラゲ綱、花虫(かちゅう)綱の3綱では、どの種類でも例外なくその体内に刺胞を有しており、そのため動物分類上これら3綱を一括して刺胞動物Cnidariaという1門として扱うことがある。刺胞動物は、この刺胞をもつということのほかに、体が原則的に放射相称を示すこと(クシクラゲ類では二放射相称)、発生途中に一般にプラヌラ幼生の時期をもつこと、などによってクシクラゲ類と区別される。刺胞の有無にどの程度の系統的意義をみいだすべきかについては、古来意見の分かれるところであるが、現在のヨーロッパやアメリカの一般の教科書では、どちらかというと、腔腸動物よりも刺胞動物を門として認めている場合が多い。
[山田真弓]
…体内が食物を消化する広い胃腔になっているところからこの名がある。また触手や他の部分に有毒な刺胞をもつので刺胞動物Cnidariaとも呼ばれている。かつてはクシクラゲ類が腔腸動物の中に含められていたが,体の構造上から有櫛(ゆうしつ)動物という別門にされた。…
… 動物の化石は先カンブリア時代末期からも発見されているが,それらはきわめて不完全である。しかしカンブリア紀になると,原生動物の有孔虫や放散虫,海綿動物のフツウカイメン(普通海綿),腔腸動物(刺胞動物)のクラゲ,棘皮(きよくひ)動物のウミユリ,星口(ほしくち)動物,軟体動物,環形動物の多毛類,節足動物の三葉虫,鋏角(きようかく)類および甲殻類など,形態的にはっきり異なった門が突然現れるので,各門の間の系統的な関係を化石をたどって確かめることはほとんど不可能である。したがって門の間の系統関係(図)は,形態や発生から推定するほかない。…
※「刺胞動物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新