朝日日本歴史人物事典 「則房」の解説
則房
鎌倉中期の備前(岡山県)福岡一文字派の刀工。江戸時代の刀剣書では信房の子で,時代を宝治(1247~49)ごろとしている。鎌倉中期の福岡一文字派は華やかな丁字乱れの刃文を焼くところに特徴があるが,特にこの則房と吉房,助真の3工が最も大模様の刃文を焼く。代表作に徳川綱吉が家宣の子家千代の誕生を祝って贈ったという太刀(国宝)がある。則房は福岡から備中(岡山県)片山に移住したため片山一文字とも呼ばれるが,備中にはその地名がなく,今日では福岡近くの片山とみるのが通説である。
(原田一敏)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報