前渡(読み)まえわたり

精選版 日本国語大辞典 「前渡」の意味・読み・例文・類語

まえ‐わたりまへ‥【前渡】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 前を素通りして行くこと。立ち寄らずに前を通り過ぎること。
    1. [初出の実例]「昨日のまへわたりは、日のくれにしかばなどあり」(出典:蜻蛉日記(974頃)中)
  3. ある人をとびこえて昇進すること。
    1. [初出の実例]「左大弁のまへわたり、まかりならぬものなり」(出典:宇津保物語(970‐999頃)国譲上)
  4. 体裁をつくろって通り過ぎること。
    1. [初出の実例]「あだめく物は、前渡(マヘワタ)りしてとをる」(出典仮名草子・尤双紙(1632)上)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android