化学辞典 第2版 「包接重合」の解説
包接重合
ホウセツジュウゴウ
inclusion polymerization
アダクト重合ともいう.重合能を有するモノマーを,包接格子内で重合させる方法.尿素やチオ尿素内に,2,3-ジメチルブタジエンを包接させて照射を行うと,包接格子内で選択的に立体特異性重合をする.一般に,γ線などの照射により重合が開始され,包接格子内で重合に好都合な立体的配置をとったモノマーのみが重合する.モノマーの性質にはほとんど影響せず,立体特異性を有する高重合度の結晶性ポリマーが生成する.包接格子は熱水処理により分解するので,容易に重合物から分離できる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報